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2025年暗号資産規制の総括と今後の論点

※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。

暗号資産に関する規制の動きを追っていると、2024年12月の状況が、すでにかなり前のことのように感じられます。たった12か月前と比べても、現在の世界全体の政策環境は大きく変化しました。変化のスピードは非常に速く、その勢いが弱まる兆しはほとんどありません。

そこで2026年に入る前に、2025年に起きた主な規制の変更点を振り返ります。グローバル全体の流れ、地域ごとの動き、そして2026年に特に注目されるトピックについて整理します。より詳しい背景や分析は、チェイナリシス Road to Crypto Regulation シリーズと2025 Geography of Cryptocurrency Reportをご覧ください。

世界の視点から見る、デジタル資産政策「5つの大きな流れ」

1. 規制導入の進捗と、運用段階での摩擦・課題

ここ数年、各国・地域で、デジタル資産を対象とする包括的な規制枠組みの整備が進んできました。進み具合に差はあったものの、全体としては大きな前進が見られました。ただし、その進展は国や地域により不均一でした。
2025年になり、「法律を作る段階」から「実際に運用・実装する段階」に移行すると、その実装プロセス自体が、立法(法律を作ること)と同じくらい、政治的にも実務的にも複雑であることが明らかになりました。

EU ではMiCA(Markets in Crypto‑Assets)は、2025年初めに全面適用となりました。これにより、これまでAML (マネー・ロンダリング対策)中心」の個別ルールに頼っていた体制から、世界で初めての包括的な暗号資産の共通ルールへと移行を図っています。ただし、この移行の進み方は、加盟各国で一様ではありません。

ESMA(欧州証券市場監督局)やEBA(欧州銀行監督機構)は、技術的な基準や監督体制をそろえるための取り組みを進めていますが、それでも各国ごとに、条文の解釈や実装方法に違いが残っています。特にステーブルコイン制度については、次のような論点が、実務上まだ整理の途中にあります。

  • 複数の事業者が共同で発行・運用する「マルチ発行モデル」をどう扱うか

  • e-money token(電子マネー型トークン)の位置づけをどう整理するか

  • 既存のPayment Services Regulation(決済サービス規制)やMiFID金融商品市場指令)との整合性をどう取るか

こうした「新しい暗号資産のルール」と「もともとある決済・投資サービスのルール」との関係整理が、実務上の大きな課題になっています。

同じような「実装段階での課題」は、他の地域でも見られます。例えばシンガポールでは、Financial Services and Markets Act に基づく Digital Token Service Provider 規制の迅速な展開により、事業者が法的影響の評価を急ぐ事態となりました。世界全体では、トラベルルールの実装も、事業者側・規制当局側の両方にとって課題となっています。具体的には、次のような点が問題になりやすくなっています。

  • 「サンライズ問題」(国ごとに施行時期がずれることで生じるすき間)の発生

  • アンホステッドウォレット(取引所などを介さない個人ウォレット)の扱いをどうするか

  • 規制当局側・事業者側ともに、技術やリスクに関する専門知識をどこまで確保できるか

  • 各社・各国が使うツール同士の相互運用性(互換性)をどう確保するか

このように、「ルール作り」が終わっても、実際の運用段階で進み具合に差が出たり、初期段階ならではのトラブルや課題が発生したりするのは、むしろ自然なことと言えます。こうした規制が成熟していくのに伴い、2026年も引き続き、摩擦の解消や、コンプライアンス(法令順守)・監督の能力を高める取り組みが続くと見込まれます。

2. ステーブルコインの台頭と、ルール再編

米国では、ステーブルコインに関する包括的な法律であるGENIUS 法が成立しました。

これにより、米国内のステーブルコイン発行者に対する連邦レベルでの共通枠組みが整っただけでなく、他国の政策にも影響を与える国際的なベンチマーク(標準的な参考モデル)ができました。その結果、世界各国でステーブルコイン政策を進めようとする動きが加速しました。

現時点で、ステーブルコインに関する法律がすでに施行されているのは、日本、EU、香港など一部の国・地域に限られています。しかし、韓国や英国などでも、発行体をどう規制するかについての制度設計が進んでいます。議論の対象は、単に「価格を安定させる方法」や「準備資産が十分かどうか」「監査・アテステーション(第三者確認)」といった技術的な点にとどまりません。金融の安定性、資本移動管理、AML/CFTへの影響など、金融システム全体への波及も含めて検討されています。

規制が整備されるにつれ、世界全体でのステーブルコインの使われ方も、徐々に組み替えられつつあります。例えばEUでは、暗号資産サービス提供者(CASP:Crypto‑Asset Service Provider)が、MiCAに適合しないステーブルコインを提供できない、もしくは大きく制限されるケースが増えました。その結果、MiCAに適合したステーブルコインに資金が戻る動きが見られます。

米国では、GENIUS法によって、海外で発行されたステーブルコインが、米国内でどのような条件で提供できるかについても一定の制限が設けられました。今後は、次のような点が、各ステーブルコインの国際的な存在感に大きく影響すると考えられます。

  • 規制を受けていないステーブルコインの流通をどこまで規制するか

  • 各国・各地域の規制当局が、お互いの監督結果を「相互承認」したり、「パスポート制度」により一度の認可で複数国での提供を認めたりするかどうか

3.トークン化の進展(国債や金などの“デジタル証券化”)

2025 年の顕著なテーマは、金融資産や実物資産のトークン化です。これは、米国債や金などの資産を、ブロックチェーン上のトークン(デジタル証券)として扱う動きです。

例えば、米国債を裏付け資産とするトークン化マネーマーケットファンド(短期金融商品に投資するファンド)の運用資産残高は、2025年12月時点で80 億ドル超、また、金などの商品を裏付けとしたトークンの商品でも、運用資産残高は35 億ドル超に拡大しました。規模としては、まだ伝統的な金融市場全体に比べれば小さいものの、2025年は強い成長を示した年と言えます。

各国の規制当局は2025年、総じて「実験を重視しつつ、前向きに支援する」姿勢をとりました。具体例としては次のようなものがあります。

  • シンガポールでは、中央銀行であるMASがProject Guardianを通じて、これまでのパイロット(試験的な取り組み)から、実際の運用を見据えたプライベートブロックチェーンでの運用枠組みへと進化させました。また、トークン化された中央銀行手形(中央銀行が発行する短期証券)の試験計画も発表しました。

  • 米国では、証券取引委員会(SEC)が5月にトークン化をテーマとした公開の円卓会議を開催し、7月には「Project Crypto」というプロジェクトで、証券法をブロックチェーン上の取引にどう当てはめるかを検討しました。12月には、DTC(証券の決済機関)が有価証券のトークン化スキームを認める内容の「ノーアクションレター」(違法と見なさないことを示す書簡)を出し、市場インフラの中枢にもトークン化が入り込む未来が現実味を帯びました。

  • EUでは、資本市場の競争力を高める柱の一つとしてトークン化を位置づけ、DLTパイロット・レジーム(分散型台帳技術を用いたパイロット制度)の見直しを進めています。ESMAは、制度を投資家や事業者にとってより魅力的なものにしつつ、真に統合されたデジタル対応の資本市場を実現するための提案を出しています。

4. 伝統的金融(TradFi)の本格参入

2025年には、銀行をはじめとする伝統的な金融機関が、暗号資産に本格的に参入しました。具体的には、暗号資産の価格に連動する金融商品、ステーブルコインの発行、カストディ(顧客資産の保管)、取引サービスなどです。

この背景には、特に米国での規制当局の姿勢転換があります。2025年中に、FDIC(連邦預金保険公社)、OCC(通貨監督庁)、FRB(連邦準備制度理事会)が、それまでの慎重・抑制的だった声明を見直し、銀行が暗号資産に関与できる余地を広げました。

さらに、国際的な銀行規制のルール作りを担うバーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、銀行が保有する暗号資産エクスポージャー(リスク資産)についての自己資本規制基準を再検討する意向を示しました。これは、これまでの基準が過度に厳格だという業界の懸念に対応するものです。

また、銀行が暗号資産事業者やステーブルコイン発行体にサービスを提供する際のAMLリスク管理についても、明確なガイドラインが示されました。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)とWolfsberg Groupが、それぞれ指針を公表し、銀行が暗号資産関連の顧客と取引する際に、どのようにリスクを評価し、管理すべきかを説明しています。

EUでも、MiCAの実装とそれによるルールの明確化により、調和されたルールブックの下で、伝統的な金融機関が暗号資産やトークン化プロジェクトを進めやすくなっています。

5. 金融犯罪と資産回収への注目の高まり

暗号資産の利用が広がると、それを犯罪目的で悪用する機会も同時に増えます。そのため、各国の政策当局や法執行機関の間では、次の3点への対応が急務となっています。

  • 暗号資産を使ったマネーロンダリング・テロ資金供与リスクへの対策強化

  • 犯罪収益を再び犯罪に使われないようにするための、資産回収の強化

  • 官民連携(法執行機関と民間事業者の協力)の活用

FATF(金融活動作業部会)の2025年の資産回収ガイダンスでは、暗号資産を差押え、管理し、被害者に返還するまでのベストプラクティスが示されています。ここでは、ブロックチェーン分析ツールの活用や、官民連携の重要性が明確に打ち出されています。

また、近年増加しているサイバー型詐欺や投資詐欺も大きな焦点になっています。英国では、「承認された⽀払い詐欺」の被害補償ルールが導入され、送金を仲介する銀行などにも責任を負わせる動きが強まりました。これに続き、オーストラリアやタイでも、金融機関やテクノロジープラットフォームなどのゲートキーパーに対して、一定の義務や、義務違反時の制裁・損失分担を義務付ける規制が打ち出されました。

これらに合わせて、マネーミュール(名義貸し口座など)を検知する仕組みや、不正取引監視の体制が十分かどうかについて、監督当局のチェックが強化されています。

運用面でも、米国は制裁対象となる重要ネットワークや、その仲介者に対する制裁、前例のない規模の資産押収、そして「Scam Center Strike Force」の設置などを通じて、暗号資産を使った国際的な投資詐欺ネットワークの壊滅に取り組んでいます。アジア太平洋地域を含む各国でも、詐欺への対策が強化され、暗号資産差押えの成功事例が増えています。

暗号資産への信頼を高め、銀行や機関投資家などによる制度的な採用を広げるためにも、こうした分野での政策対応・実務の強化は、今後も続くと見られます。

地域別の動き(収れんと分断)

米国: 新たな政策軌道で市場が加速

世界の暗号資産情勢の中で、2025年に最も大きな変化があったのは米国です。新政権は、それまでの対立的・抑制的な政策スタンスを改め、デジタル資産を戦略的に重要な分野として受け入れる方針を明確にしました。

2025年7月には、デジタル資産に関する大統領作業部会が、包括的なロードマップを公表しました。そこでは、次のような点が示されています。

  • GENIUS法の迅速な実装

  • AML規制の近代化

  • 市場構造に関する新しい法律の制定

  • CFTC(商品先物取引委員会)とSECが、既存の権限を使って、デジタル資産取引を可能にするための体制づくり

CFTCとSECも、より「ビジネスに前向きな環境」への転換を後押ししました。SECは、暗号企業に対する訴訟ベースの強制執行を抑え、SAB121という会計上の指針を撤回しました。また、「米国の金融市場をブロックチェーン上に移す」ことを全社的な目標とするProject Cryptoを発表しました。CFTCも同様に、「crypto dash」と呼ばれる取り組みを進めています。

両機関は、スポット暗号商品の取引に関する共同声明や、2025年9月の共同円卓会議などを通じて、連携を強化しています。

銀行規制当局の姿勢にも変化がありました。2025年4月、FDICは、被監督機関が暗号関連活動を行う際の事前通知義務を撤回しました。7月には、FDIC、OCC、FRBが、暗号資産カストディに関するリスク管理の考え方を公表しました。12月にはFRBが、預金保険の対象ではない州加盟銀行によるデジタル資産活動への関与に、前向きな姿勢を示す声明を出しました。

立法面では、GENIUS法の成立により、ステーブルコイン発行体に対する連邦レベルの共通枠組みが整備されました。これにより、準備資産の持ち方、監査の要件、金融インテグリティ(不正利用を防ぐ仕組み)に関する要件が定められました。具体的な実装作業はこれから本格化し、2026年7月までに最終的なが策定される予定です。施行期限は2027年1月であり、今後も規制当局による細部の調整が続きます。

一方、市場構造に関する法制については、下院が2025年7月にCLARITY法案を可決し、上院の銀行委員会と農業委員会もそれぞれ討議草案を公表しました。ただし、これらをどのように一本化し、最終的な形にまとめるかという調整は2027年以降に持ち越される見込みで、多くの優先課題がある中、どの程度のスピードで進むかは不透明です。

アジア太平洋:多様な出発点から、一段と高まる動き

アジア太平洋(APAC)地域には、日本、マレーシア、タイなど、暗号資産規制で先行している国があります。2025年は、市場拡大や各国間の競争、先進国の政策の影響などを背景に、規制整備のモメンタムが広く、かつ速く高まりました。各国のスタート地点は異なりますが、多くの国で、市場行為(投資家保護など)と金融安定の両方をカバーする包括的な枠組みが作られつつあります。

主な国・地域の状況は次のとおりです。

  • 日本は、最も成熟した暗号資産市場の一つとして、暗号資産を投資商品としてどう規律するかに関する改革や、税制の見直しが進んでいます。

  • 韓国では、

    韓国では、バーチャルアセット利用者保護法(英語名:Virtual Asset User Protection Act)の下で、初めて不公正取引事件が検察に送致されました。また、複数のステーブルコイン関連法案が国会に同時に提出されており、どの案が最終的に採用されるかが注目されています。

  • 香港では、カストディとディーリングに関する規制提案、香港国内の取引プラットフォームが世界の流動性にアクセスするための計画、そして2025年8月のStablecoin Ordinance(ステーブルコイン条例)の成立など、バーチャルアセットに関する制度整備の動きが活発になっています。最初のライセンス付与は、2026年初めになると見込まれています。

  • シンガポール シンガポールは、FATF第5次相互審査(バーチャルアセットおよびVASPに対する有効性評価を含む本格的な審査)を、この地域で最も早く受審しました。これにより、暗号資産分野でのAML/CFT対策が実際にどれだけ機能しているかを示すことが、これまで以上に重要な課題となっています。

その他の国々でも再編が進んでいます。

  • インドネシアでは、暗号資産の規制管轄が商品先物庁(Bappebti)から金融監督庁(OJK)に移り、暗号資産を「商品」ではなく「金融商品」として扱う方向性が示されました。

  • フィリピンでは、証券取引委員会(SEC)が新しい規制によって権限を拡大し、消費者保護と市場の健全性を強く打ち出しています。

  • オーストラリアでは、Corporations Amendment (Digital Assets Framework) Bill 2025の審議が進み、証券・投資監督庁(ASIC)はINFO 225を更新して、既存の金融規制がデジタル資産にどう当てはまるかをより明確にしました。

APACの中でも、パキスタンとベトナムは、特に大きな転換を見せました。両国とも、インフォーマル(非公式)な暗号資産市場が大きい一方、以前は暗号資産に対して制限的、もしくは立場が不明確でした。

  • パキスタンは、暗号資産の取引禁止を撤廃し、包括的な規制へと方針転換しました。Pakistan Crypto Councilと新たなVirtual Assets Regulatory Authorityを設置してライセンス付与と監督に乗り出しました。
  • ベトナムは、暗号資産に法的な地位を認め、暗号資産取引所について試験的な認可制度(パイロットプログラム)を法律で定めました。これにより、これまで「グレーゾーン」とされていた状態から、正式な市場として位置づけられる方向へと移行しています。

ヨーロッパ: MiCA 規制の本格運用

EUのMiCA規制は、現時点で世界で最も包括的な暗号資産規制枠組みといえます。全面適用から1年で、暗号資産サービス提供者(CASP)の許可件数は90社を超えました。また、電子マネー型トークン(EMT)の発行者も多様化し、ユーロ建てステーブルコインの利用が拡大しました。

ESMAやEBAによる複数のRTS/ITS(詳細な技術基準)の公表により、MiCAの実装に関する実務的なガイダンスも整ってきています。これらは、伝統的な金融機関が暗号資産・トークン化ビジネスに参入することを後押ししています。

同時に、MiCAは、実際の運用の場で制度の効果や課題を確認するための重要なテストケースにもなっています。例えば、次のような論点について継続的な議論が行われています。

  • 発行スキームが複数の主体にまたがる「マルチ発行モデル」をどう扱うか

  • EU域外の制度との同等性評価をどのように判断するか

  • EMTが「資金」と「暗号資産」の両方に該当し得る場合、EUの決済規制との関係をどう整理するか

EUの「貯蓄・投資連合(SIU)」構想や、CASPにとっての真の意味での「レベル・プレイング・フィールド(公平な競争環境)」を実現するため、欧州委員会は監督モデルの再設計を提案しています。その中では、投資サービス当局であるESMAに、すべてのCASPに対する認可・監督の直接的な権限を与える案も検討されています。

AML分野では、これまで各国ごとにばらつきがあった5AMLD(第5次マネーロンダリング対策指令)から、EU全体で直接適用される「AMLR」への移行が進んでいます。AMLRは、CASPを含むすべての義務主体に対して、より明確で統一された期待水準を課すものです。

新しいEUのAMLA(EUレベルのAML機関)は、AMLRを一貫して実装するための追加ガイダンスを策定しており、2027年7月10日に適用開始予定です。AMLAは暗号資産を優先課題に位置づけており、2028年からは、CASPを含む企業を自ら直接監督することを目指しています。これは、中期的には、各国ごとにばらばらに監督するのではなく、EUレベルで集中的にデータを集め・分析し、その結果に基づいてAML監督を行う体制に移っていくことを意味します。

MiCAとAMLRが中核となりますが、CASPはDORA(Digital Operational Resilience Act:デジタル運用レジリエンス法)などの他の枠組みにも適合する必要があります。DORAは、サイバー攻撃やシステム障害に対する耐性(オペレーショナルレジリエンス)について、要求水準を大きく引き上げるものであり、CASP全体のコンプライアンス体制に大きな影響を与えます。

英国:周辺的な立場からの転換

英国ではここ数年、FCA(金融行為監督機構)によるAML制度と、その後に導入された限定的な暗号資産の広告・勧誘規制しかなく、暗号資産に関する規律は事実上、周辺的な扱いにとどまっていました。

しかし2025年は、英国にとっての転換点となりました。イングランド銀行は、金融システム全体に影響を与えかねない規模のステーブルコイン(いわゆる「システミックなステーブルコイン」)について、どの程度の規模を重大とみなすか、どこまで保有を認めるか、その裏付けとなる準備資産をどう構成するかといった制度設計の検討を始めました。

年末には、FCAが3つの協議文書を公表しました。その内容は次のとおりです。

  • 暗号資産活動全般を対象とする包括的な制度

  • 暗号資産に特化した、開示・相場操縦規制の枠組み

  • 暗号資産企業に対するプルーデンシャル規制(自己資本やリスク管理に関する規制)

特に注目されるのは、次のような点です。

  • 暗号資産の貸付や借入(いわゆるレンディング/ボローイング)、ステーキング(暗号資産を預けて報酬を得る行為)も規制の対象に含めていること

  • 規制の範囲がMiCAよりも広く、分散型金融(DeFi)についても、形式だけでなく実態に基づいて評価し、実質的な統制主体が特定できる場合には、他の事業者と同様の義務を課そうとしていること

中東: ステーブルコイン、トークン化、機関投資家市場

中東地域では、暗号資産市場の拡大と制度化の進展に合わせて、規制の骨組み(アーキテクチャ)の構築が進みました。

UAE(アラブ首長国連邦)は、この地域のハブとしての地位を固めています。中央銀行、ドバイのVARA、アブダビのFSRAなどの当局が、取引所・カストディなどの成熟したライセンス制度を運用しつつ、マーケティングや行為規制、市場の健全性ルールを強化しています。また、決済とトークン化金融に重点を置くステーブルコイン・ペイメントトークン制度も前進させています。

これらの制度では、次のような点が重視されています。

  • フルリザーブ(100%準備金を保有すること)

  • 明確な償還権(いつでも元本を返してもらえる権利)

  • 強固なガバナンス(内部統制やリスク管理)

その結果、現地通貨建てや、地域の金融機関が発行するステーブルコインへの関心が高まっています。

湾岸地域の他の国では、サウジアラビアとカタールが実証実験段階から一歩進んで、政策の方向性を明確化しました。

  • カタールはより構造化されたデジタル資産の枠組みを導入しました。

  • サウジアラビアは、トークン化、CBDC(中銀デジタル通貨)のパイロット、「DeFiに近い領域」についてリスクに配慮した制度設計のもとでのイノベーションに力を入れ、規制の対象範囲を段階的に拡大しています。

地域全体のレベルでは、MENAFATF(中東・北アフリカのFATF地域機関)が、FATF基準との整合と相互審査への準備を2025年の優先事項としています。これにより、中東のVASP(暗号資産サービス提供者)に対しては、AML/CFTに関する期待水準が高まり、リスクベースかつデータに基づく監督が当たり前になりつつあることが示されています。

ラテンアメリカ: 構造的な規制枠組みへ

ラテンアメリカでは2025年、AML中心の事後対応型の監督から、すでに高い水準に達している草の根レベルでの暗号資産利用を前提とした、より体系的で構造的な規制枠組みへと明確に移行しました。

  • ブラジルは、2022〜2023年に制定された暗号資産やステーブルコインなどのバーチャルアセットに関する包括的な法律を土台として、VASPのライセンス、ガバナンス、行為規制、プルーデンシャル要件、監督報告などに関する詳詳細な下位ルール(政令・省令に相当するレベルの規定)を整えました。これにより、ブラジルは、地域全体における「事実上のベンチマーク(標準的なモデル)」となりつつあります。
  • アルゼンチンやメキシコなど他の主要なマーケット(国々)では、

    個別・場当たり的な対応やAML対策だけに偏ったアプローチから、消費者保護、市場の健全性、オペレーショナルリスク(システム障害や内部不正など)も含めた、より広範なモデルへと移行を始めました。ただし、法的な確実性や監督当局の能力については、国ごとの差が残っています。

地域全体としては、ステーブルコインの役割に大きな注目が集まっています。特に、

  • 国際送金

  • 貿易決済

  • インフレに対するヘッジ(価値を守る手段)

といった用途での活用が意識されています。そのため、ステーブルコインの発行、準備資産、償還権、中間業者の義務などについて、要件を明確化する動きが進んでいます。

FATF基準との整合と、今後予定されている相互審査は、この地域におけるAML/CFTの期待水準や、監督当局が何を優先して取り組むべきかを判断する際の共通の基準になっています。

アフリカ:少額利用が牽引する普及と新しい規制枠組み

アフリカでは、すでに定着している実需にもとづく暗号資産の利用に、規制の側が徐々に追いつきつつあります。サブサハラ・アフリカは2025年、暗号資産市場の成長率が世界の地域別ランキングで第3位となりました。オンチェーン取引量は前年比50%以上の増加で、その多くが1万ドル未満の少額取引です。これは、暗号資産が決済・送金・金融アクセスの改善に重要な役割を果たしていることを示しています。

監督面では、南アフリカが大陸の規制アンカーとして台頭。暗号資産は金融商品に分類され、多数の CASP がライセンスの対象となりました。AML/CFT 義務が 2022 年から課され、トラベルルールは2025 年に施行されました。南アフリカ準備銀行は、ステーブルコインや銀行預金などの法定通貨をブロックチェーン上のトークンとして扱う仕組みの分析・政策検討を強化しています。ステーブルコインを対象とする独立した法律はまだ制定されていませんが、将来的に健全性規制(プルーデンシャル規制)や行為規制を本格的に導入していく方向性はすでに明確になっています。

ナイジェリアでは、オンチェーンでの取引量が依然として非常に多い一方で、暗号資産に関する政策については段階的な見直しが続いています。証券規制やAML/CFT枠組みを用いて、取引所などの仲介業者を監督の対象とする一方、自国通貨や為替への影響については慎重な姿勢を崩していません。

主要国の多くでは、中東やアジアとの貿易取引や送金の主要な経路(いわゆる支払回廊/ペイメントコリドー)におけるステーブルコインの利用にも注目が集まっています。トランザクションモニタリング、トラベルルールの実装、リスクベース監督など FATF 整合の AML/CFT 要件の実装に重点が置かれています。境界線上の議論を超え、実際の経済フローに対するデータ駆動の監督へと移行しています。

2026年に注目される論点

2026年の政策カレンダーには、すでに多くの重要なマイルストーンが並んでいます。米国では、市場構造法制が引き続き主要な政策課題として残りますが、他の優先課題との兼ね合いから、年明け以降どの程度のペースで協議が進むかは見通せない状況です。

課税分野では、Crypto‑Asset Reporting Framework(暗号資産報告枠組み)の実装が進み、複数の国が2027年までに初回の情報交換を実施する方針を示しています。

ステーブルコイン規制の具体化

まだステーブルコイン制度を十分に整備・実施できていない国や地域の当局も、2026年にかけて制度づくりと運用の具体化を進めていくと見込まれます。

  • 米国では、2026年7月までに、連邦および州の当局がGENIUS法を具体的にどう運用するかを定める最終的なルールを整備する予定です。ここには、連邦レベルで認可・監督される発行体の扱い方や、海外で発行されたステーブルコインが米国内で提供される際の要件などが含まれます。

  • シンガポールでは、ステーブルコイン制度の法案や、その具体的な運用ルールやガイダンスの内容を確定させる必要があります。

  • 英国では、FCAがステーブルコインに特化した行為・市場枠組みを協議しており、イングランド銀行は、システミックなステーブルコインに対するプルーデンシャル規制や金融安定上の扱いに注力しています。

もっとも、2026年になっても多くの課題が残ると見られます。金融安定理事会(FSB)は2025年10月、ステーブルコイン枠組みをすでに実装している国・地域であっても、「堅牢なリスク管理、十分な資本バッファ、回復・破綻処理計画の要件がまだ不十分な場合が多い」と指摘しました。

また、ステーブルコイン発行体に対するAML/CFTの期待水準、特にセカンダリーマーケット(取引所など二次市場)での取引監視に関する検討も進んでいます。これに合わせて、FATFは2026年第1四半期にステーブルコインに関する分析を公表する予定であり、これは各国がどのような規制を目指すべきかを考える際の重要な指針になると見込まれます。

AML とサイバーリスクへの注目強化

デジタル資産が世界の金融インフラに深く組み込まれていく中で、規制当局は、その結果生じるシステミックリスク(金融システム全体に波及し得るリスク)への監督・規制を一段と強化しています。暗号資産は、かつてはダークネット上の取引などに用いられるニッチな手段と見なされてきましたが、現在では、多様な犯罪を支える専門的なマネーロンダリング・ネットワークの一部へと進化しています。例えば、A7A5 のように、暗号資産を使った制裁回避の新しいスキーム(手口)も表面化しています。

FATF第5次相互審査の対象範囲拡大とも重なり、「AML/CFTの有効性」を示すプレッシャーは、規制当局と業界の双方にかかり続けます。

同時に、より多くの活動がブロックチェーン上に移るほど、オペレーション上の障害(システム障害や鍵管理のミスなど)の影響は大きくなります。2025年には、暗号資産の盗難額が340億ドルを超え、そのうち少なくとも200億ドルが北朝鮮関連の攻撃によるものとされています。

このような脅威環境を背景に、監督当局はカストディ体制や秘密鍵管理、インシデント対応能力に対する監督を一段と厳格化していくと見られます。
また、これまで「ベストプラクティス」とされてきた多層的なサイバーセキュリティ・フレームワークが、最低限求められる監督基準として位置付けられていく可能性もあります。
暗号資産のセキュリティにおけるオペレーション上の失敗が、国家安全保障や金融システムの安定に広範かつ深刻な影響を及ぼし得ると認識されつつあるためです。

クロスボーダー取引をめぐる規制の分断の深刻化

暗号資産市場は性質上、国境を越えてグローバルに広がっています。しかし、規制は基本的に各国ごとに行われています。EUのような超国家的な枠組みを除けば、現時点では、暗号資産事業者が複数国で共通のライセンスで営業できる「パスポート制度」や、各国当局同士が互いのライセンスや監督結果を認め合う仕組み(相互承認)も、まだごく限られています。

グローバルに事業を展開する暗号資産関連企業は、国・地域ごとにライセンスを取得し、それぞれのルールに合わせたコンプライアンス体制を整える必要があります。そのため、コストと事務負担が大きく増加しています。

また、各国の規制目標が似ている場合でも、ルールの細部が異なることで、国境をまたぐ取引(クロスボーダー取引)の場面で摩擦が生じます。例えば、ステーブルコインの準備資産や償還条件、開示要件などが国ごとに少しずつ違っていると、グローバルに同じステーブルコインを運用することが難しくなります。

さらに、取引所に対するルールの違いによって、現地ユーザーがグローバルなオーダーブック(世界中の注文が集まる板)にアクセスできない場合、流動性や価格形成が国ごとに分断され、投資家にとって不利な状況が生まれかねません。

こうした懸念を踏まえ、2026年には、以下の点でどのような進展が見られるかに注目が集まります。

  • クロスボーダー取引に関するルールの不整合をどこまで縮小できるか
  • 各国当局間の情報共有や共同監督体制をどのように構築していくか
  • パスポート制度や相互承認枠組みの導入・拡大がどこまで進むか

以上が、2025年の暗号資産規制の主な動きと、2026年に向けた注目ポイントです。

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    ※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 要約 OFACは中国を拠点とする化学会社Guangzhou Tengyue Chemical Co., Ltd.および2名の個人を、米国への合成オピオイドとカッティング剤の密輸で制裁対象としました。 この制裁には、Guangzhou Tengyueの担当者Huang Xiaojunに関連するビットコインアドレスが含まれており、彼は米国への違法薬物の発送を調整していました。 今回の措置は、DEAおよびFBIと共同で合成薬物や危険な鎮痛化学物質(カッティング剤として使用されることが多い)の密輸撲滅を目指す取り組みの一環です。   今日、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、米国麻薬取締局(DEA)および連邦捜査局(FBI)と連携し、中国を拠点とする化学会社Guangzhou Tengyue Chemical Co., Ltd.(Guangzhou Tengyue)と、その関係者2名を合成オピオイド密輸で制裁対象としました。2023年、Guangzhou Tengyueを代表して米国のバイヤーに規制物質を販売しようとした中国籍のHuang Xiaojunの暗号資産アドレスも制裁対象となっています。 OFACによれば、指定された組織は特に呼吸不全を引き起こす可能性があり、オピオイド様の効果で乱用される合成物質ニタゼン(nitazenes)を取り扱っていました。Guangzhou Tengyueはまた、獣医用鎮静剤であるキシラジン(xylazine, “tranq”)の販売も宣伝しており、これはNarcan(標準的な過剰摂取治療薬)が効かないため特に危険なカッティング剤です。これらのリスクにもかかわらず、Guangzhou Tengyueは積極的にこれらの物質を販売し、購入者に対し「米国の税関を通過する」と保証していました。 Guangzhou Tengyueのオンチェーン活動 Huang Xiaojunの暗号資産アドレスは、2023年にGuangzhou Tengyueが米国のバイヤーに規制物質を販売しようとした際に使用されました。以下の調査ツールグラフに示されている通り、暗号資産ATMやダークネットマーケットのベンダーからこのアドレスへの支払いも確認されています。Xiaojunのアドレスは2021年1月から2025年1月までに126万ドルを受け取りました。 戦略的な意味合い 今回の措置は、米国政府が国際的な薬物密輸組織の資金インフラ、特に暗号資産による決済チャネルの破壊に引き続き注力していることを示しています。特定の暗号資産アドレスを指定することで、OFACは暗号資産事業者に対し、薬物密輸組織との取引を識別・防止するための具体的な運用情報を提供します。 当社は上記のビットコインアドレスをプロダクト内でラベル付けし、合成オピオイド密輸関連の追加アドレスや組織も継続して監視していきます。 The Chainalysis 2025 Crypto Crime Report Download now This web site accommodates hyperlinks to third-party websites that aren’t beneath the management of Chainalysis,…

  • イタリア警察、Chainalysisを活用し880万ユーロ規模の違法暗号資産取引所を摘発

    ※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 要約 イタリアのカラビニエリ(国家憲兵隊) 暗号資産部門は、2021年から2024年にかけて約880万ユーロのマネーロンダリングに関与した違法な暗号資産取引所の運営者である中国籍のFranco Leeを逮捕し、デジタルアセットの一部を押収しました。 この成果は、カラビニエリが独自に開発したスクリプトと、Chainalysis Reactorによるネットワーク分析、さらにWallet Scanを用いた断片化されたシードフレーズからの迅速なウォレット特定といった高度な捜査技術を組み合わせることで達成されました。 本件は、欧州の法執行機関における技術力の高度化を示すとともに、複雑化する暗号資産関連の金融犯罪に対処するための具体的な前例を確立しました。 イタリアを拠点とする国際ネットワーク Franco Leeは、2021年から2024年にかけて、主にイタリアのローマおよびフラスカティを拠点とし、国際的な違法金融サービスネットワークを運営していました。このネットワークは、不正な金融投資の宣伝やマネーロンダリング、自己によるマネロン(セルフ・ローンダリング)などに関与し、約880万ユーロ相当の暗号資産取引を仲介していました。Leeは、顧客から5%から10%の手数料を徴収することで、金融コンプライアンス規制の回避とユーザーの匿名性の確保を実現していました。 また、Leeのネットワークはイタリア国内にとどまらず、国際的な取引にも広がっていました。 Leeは海外の暗号資産取引所も活用し、フランス、スイス、スペインでも取引を行っていました。さらに、ローマで開催されたブロックチェーン関連イベント「Blockchain Week」に登壇するなど、国際的な暗号資産コミュニティとのつながりが明確になっています。 コードの解読:バラバラのフレーズから証拠の構築へ 捜査の過程で、暗号資産特有の複雑な課題が明らかになりました。容疑者であるLeeは、暗号資産の仮名性や国境を越える送金、分散型という特性を巧みに利用し、顧客を集めながらも監視の目をかいくぐっていました。また、貸金庫から発見された50以上のシードフレーズについても、1つずつを意図的に多数の紙片に分割することで、資産の回復プロセスを複雑化させていました。 こうした困難な状況下においては、カラビニエリ暗号資産部門の専門知識が不可欠となりました。同部門は、複数の高度な技術を組み合わせてこの課題を乗り越えました。 ネットワーク分析 (Chainalysis Reactor): Chainalysis Reactorは、Leeのネットワークを可視化するうえで不可欠なブロックチェーン分析ツールです。捜査官はReactorを活用し、複数のブロックチェーンや暗号資産取引所にまたがって流れる違法な資金の動きを特定し、そのトランザクションパスを包括的にマッピングすることができました。こうした分析により、資金移動のパターンを明確に把握することが可能となります。 シードフレーズの復元:複数の断片(パーツ)に分けて保管されていたシードフレーズを、一つの正しい並び順に組み直すには、捜査官が特殊なブルートフォース手法とカラビニエリが独自に開発したスクリプトを活用しました。 Wallet Scanの活用: シードフレーズを復元した後、カラビニエリはWallet Scanを活用してフレーズの内容を分析しました。Wallet Scanの導入により、捜査プロセスが大幅に迅速化され、違法な資金が含まれているウォレットを正確に特定することが可能となりました。 カラビニエリは、bitcoin、ether、USDT、Maticなどの暗号資産の一部の押収に成功しました。 暗号資産捜査における新たな画期的事例 カラビニエリが実施した作戦は、金融犯罪と戦う法執行機関の能力が大きく進化していることを示しています。暗号資産の仮名性にもかかわらず、高度なブロックチェーンフォレンジックツールを活用することで、取引の匿名性を効果的に排除し、犯罪ネットワークの解体が可能となりました。 カラビニエリ通貨偽造対策部隊 暗号資産担当部門長Simone Vecchiarello少佐は次のように述べています。「Chainalysis Reactorを用いた綿密なブロックチェーン分析は、複雑な違法金融ネットワークを特定し、阻止し、解体する当部隊の能力を明確に示しました。今回の捜査は、今後の捜査における明確な先例となるものであり、暗号資産を利用した犯罪との戦いにおいて、専門ツールの必要性と有効性を浮き彫りにしました。」 Chainalysis Crypto Asset Seizure Certification Learn how to seize crypto assets with the latest investigative tools and techniques Get…

  • 2025年、なりすまし手口とAI活用の急増で暗号資産詐欺・不正被害額が過去最高の約170億ドルに

    ※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 要約 2025年、暗号資産詐欺および不正による被害額は推定170億ドルとなりました。なりすまし詐欺は前年比1,400percentの急増を示し、AIを活用した詐欺は従来型の詐欺と比べて約4.5倍の利益をあげています。 大規模な詐欺組織はさらに産業化が進み、フィッシング・アズ・ア・サービス、AI生成ディープフェイク、プロのマネーロンダリングネットワークといった高度なインフラを構築しました。 カンボジアやミャンマーなどの強制労働施設を中心に、東南アジア犯罪ネットワークとの強力な結びつきが確認されており、被害者が詐欺の実行を強要されている事例も多数見つかっています。 法執行機関による過去最大規模の押収が実現し、英国での61,000ビットコイン回収やPrince Group犯罪組織に関連する150億ドルの資産差押えも行われ、暗号資産詐欺対策の能力向上が示されました。 The Chainalysis 2026 Crypto Crime Report Reserve your copy 2025年、暗号資産詐欺はオンチェーンベースで少なくとも140億ドルを受領し、2024年に最初に報告した99億ドル(執筆時点で再計算12億ドル)から大きく増加しました。これは当初の2024年予測(124億ドル)とほぼ一致しています。過去の傾向から、年次推計は報告間で平均24percent増加しているため、今後さらに多くの不正ウォレットアドレスが特定されるにつれ、2025年の被害額は170億ドル超に達すると見込まれます。 今年のデータからは、詐欺師が手法を巧妙化し続けていることが明らかとなり、1件あたりの平均詐欺送金額は2024年の782ドルから2025年には2,764ドルへと253percent増加しました。全体の詐欺流入も大きく増加しており、特になりすまし手法は前年比1,400percentという驚異的な伸びを示しています。高利回り投資プログラム(HYIP)やロマンス詐欺(Pig Butchering)が依然として主要カテゴリですが、AIの活用、高度なSMSフィッシングサービス、複雑なマネーロンダリングネットワークを組み合わせることで、被害者をこれまで以上に効率的に標的とする手口の融合が見られます。 詐欺の従来型分類は曖昧になりつつあり、複数の手法(なりすまし、ソーシャルエンジニアリング、技術系・ウォレット系詐欺)が組み合わさるケースが増加しています。 なりすまし詐欺が爆発的に増加 なりすまし詐欺は特に懸念されるトレンドとなっており、2024年比で1,400percent以上増加、これらのクラスタへの平均送金額も600percent以上増加しました。この手法では、詐欺師が正規組織や権威者になりすまし、被害者をだまして送金させます。 政府なりすまし:E-ZPass詐欺ネットワーク 政府なりすましは、公式連絡への信頼を利用した非常に効果的な手口となっています。2025年には、米国のE-ZPass(自動道路料金徴収システム)利用者数百万人を標的とした「E-ZPass」フィッシングキャンペーンが広まりました。 この手口は「Darcula」(別名「Smishing Triad」)という中国語圏のサイバー犯罪グループによるものとされています。この中国拠点の犯罪ネットワークは、フィッシング・アズ・ア・サービス型のツールを使い、E-ZPass利用者を中心に少なくとも8州を標的にSMSを大量配信し、料金徴収機関になりすましていました。このグループは米国郵便公社にもなりすました実績があります。 偽E-ZPassテキストの画像, 出典: Cisco Talos   Googleが2025年11月に提訴した訴訟によれば、Smishing Triadは「Lighthouse」という中国語ベンダーのソフトウェアを利用し、数百種類の偽サイトテンプレート、ドメイン設定ツール、検出回避機能などを備えた「初心者向けフィッシングキット」を犯罪者に提供していました。 このグループは、ニューヨーク市公式サイト(nyc.gov)やニューヨークE-ZPass(e-zpassny.com)などの政府機関ウェブサイトを模倣した詐欺サイトを作成し、正規サイトと見分けがつかないほど精巧に偽装していました。 出典: Google Phishing Lawsuit Complaint   暗号資産でインフラを購入し犯罪を実行するサイバー犯罪者の手口を示すだけでなく、本ケースは犯罪者がオンチェーン上に残す痕跡が実際の対策機会となることも明らかにしています。以下のグラフに示されている通り、Taihe Gong詐欺グループをはじめとする複数の中国系地下犯罪組織がLighthouseフィッシングキットを購入し、複数の中国語系マネーロンダリングネットワーク(CMLN)やfraud store(詐欺サービス)から資金を受け取っています。Taihe Gongは、フィッシングキットの販売を含む詐欺的なサイバー犯罪活動に関与していると疑われる中国語話者のオペレーターで構成されており、その運営体制から、オンライン詐欺や資格情報窃取などの違法行為を助長するための悪意あるツールが流通する確立された供給網が存在することがうかがえます。 Taihe Gongや他の中国系地下犯罪組織はLighthouseフィッシングキットを購入し、複数の中国語系マネーロンダリングネットワーク(CMLN)やfraud shopから資金を受け取っています。これには盗難または不正に取得された米ドル建てステーブルコインの洗浄を支援するBlack Uサービスも含まれます(Black U)。   E-ZPass事例は、詐欺インフラがいかに低コストかを示しています。中には500ドル未満で購入されたとみられるフィッシングキットもあります。しかし、安価な詐欺であっても大規模に展開すれば甚大な被害をもたらします。E-ZPassのスキームは、別の通行料詐欺キャンペーンの一環として、1日で33万通のテキストを送り、3年間で10億ドルを集め、121カ国以上で100万人超の被害者を出したとGoogleの訴訟で主張されています。Cisco Talosによると、フィッシングキットは機能ごとに価格帯があり、「フル機能開発」は暗号資産で50ドル、「プロキシ開発」は30ドル、バージョンアップデートやサポートは20ドルでした。Lighthouseは3年間で7,000件以上の入金を受け、150万ドル超の暗号資産を集めています。 残念ながらLighthouseだけがベンダーではありません。DarkTowerのGary Warner情報分析部長は、Telegram上で8つの主要な中国語「Crime-as-a-Service」グループを追跡しており、各グループにはiMessageやRCSフィッシングサービスを提供する複数のベンダーが存在します。Warner氏によれば、これらのフィッシングの目的はクレジットカードをモバイルウォレットに登録し、世界中の「リモートTap-to-Pay」サービスを利用して高級品や電子機器を購入・転売し、貿易を利用したマネーロンダリングを実現する「ショッパー」ネットワークに展開することです。フィッシングの設計・ホスティング・スパム配信から買い物、現金受け取り、商品購入まで、これら中国系犯罪グループのTelegramにはすべて揃っており、30万人超のメンバーがいるグループもあります。売買や広告はすべてステーブルコインで決済されます。また、Warner氏は、海外でのマネーロンダリングの多くも、商品や現金をステーブルコインに換えて海外送金を容易にすることが目的であると指摘しています。 民間セクターのなりすまし:Coinbaseなりすましキャンペーン…

  • 北朝鮮IT労働者による暗号資産マネーロンダリングネットワークの内幕

    ※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 北朝鮮(DPRK)のIT労働者は、世界中のIT企業に潜入し収益を得続けています。その収益は暗号資産で受け取られることが多く、北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルの製造資金となっています。過去数年にわたり、米国財務省外国資産管理局(OFAC) や韓国外交部(MOFA)などの規制当局は、これらのスキームを可能にする個人や組織に対し、制裁措置を講じてきました。制裁の指定には、暗号資産のアドレスが識別子として含まれることも多くなっています。 Chainalysisは、北朝鮮IT労働者スキームを対象とした制裁指定への暗号資産アドレスの追加や、この脅威に関するオープンソース情報を綿密に追跡しています。当社は、北朝鮮が暗号資産を活用して収益を生み出し、資金を移動・集約し、メインストリームの取引所で架空アカウントを使ったり、規制されていない可能性の高い相対取引(OTC)業者を活用して収益を洗浄する手口を監視しています。 最近の規制執行には、2025年8月のOFAC制裁が含まれています。これは、北朝鮮のChinyong Information Technology Cooperation Company(Chinyong、別名Jinyong IT Cooperation Company)への支払いを仲介したロシア国籍者を対象としたものです。Chinyongは、2023年5月にOFACおよび韓国外交部によって、海外で北朝鮮IT労働者を雇用したとして制裁を受けています 。 2023年初頭には、OFACがKorea Kwangson Banking Corp(KKBC)の代表であるSim Hyon Sop(Sim)を制裁対象とし、暗号資産アドレスも指定されました。Simは、北朝鮮IT労働者の収益の一部を含む数千万ドルの暗号資産を受け取っています。また、相対取引業者のLu Huaying(Lu、UAE在住中国人)も、北朝鮮政権のためにIT労働者資金の洗浄に関与したとして制裁対象となっています 。 これらの活動は、暗号資産に大きく依存し収益の獲得と洗浄を行う複雑なネットワークを浮き彫りにしています。そのため、法執行機関による摘発の機会も生まれています。米国司法省(DOJ)の最新の差し押さえ命令が示すように、高度なブロックチェーン分析により、IT労働者による不正な資金洗浄ネットワークを検知・撲滅するための独自の洞察と実効的な手段が提供されています。 本ブログでは、北朝鮮IT労働者が収益を得て洗浄するためのネットワーク・仕組み・運営方法について解説します。こうしたネットワークを理解することで、法執行機関や規制当局、民間企業はオンチェーンでのIT労働者活動を検知し、大量破壊兵器(WMD)プログラムへ資金が流れるのを阻止することが可能となります。 暗号資産による収益の獲得 北朝鮮IT労働者は通常、Chinyongなどの仲介業者を通じて海外に派遣され、世界中のIT企業に応募します。彼らは、仮想プライベートネットワーク(VPN) 、偽造・盗難身分証、AI音声・顔認証技術など、さまざまなオブフスケーション(隠蔽)手法を駆使し、居場所や身元を隠します。 雇用後は、安定した価値を持ち、OTC業者に人気の高いステーブルコインでの支払いを求めます。北朝鮮IT労働者の支払い用アドレスに関連するオンチェーン活動を調査すると、これらのウォレットにはほぼ毎月5000ドル程度の定期的な支払いが確認され、給与支払いであることが示唆されています。 ブロックチェーン技術による収益の隠蔽 給与支払い後、北朝鮮IT労働者は複数の資金洗浄手法を用いて暗号資産を移動します。IT労働者や資金洗浄者がオンチェーン上で資金の起点と終点を切断する方法のひとつが、チェーンホッピングやトークンスワップです。分散型取引所(DEX)やブリッジ・プロトコルなどのスマートコントラクトを活用し、資金の追跡を困難にしています 。 下記のChainalysis Reactorグラフでは、分散型プロトコルやブリッジ、一般的な取引所が資金の流れの隠蔽に活用されている様子が分かります。 北朝鮮IT労働者は資金洗浄プロセスを円滑に進め、最終的に北朝鮮へ送金するため、仲介者も活用します。DOJの資金差し押さえ命令によれば、IT労働者の支払い資金は他の犯罪収益や北朝鮮IT労働者の資金と混ぜ合わせ(レイヤリング)、偽の身分証でメインストリーム取引所にアカウントを開設した政権関係者へ送金されます。 北朝鮮の資金洗浄者は偽身分証で取引所アカウントを開設していますが、他国で活動する者は本名で開設するケースも見られます。DOJの命令によれば、Simは偽ロシア身分証を使い、Luは自分の名前とUAEの居住カードでFTX(現在は閉鎖済み)のアカウントを開設しました。 A duplicate of the Russian identification paperwork utilized by Kim to open accounts, as per the DOJ civil forfeiture. 資金差し押さえ命令では、北朝鮮IT労働者の資金がChinyongの代表であるKim Sang…

  • 事件性・緊急度をすぐに判断できるAI暗号資産ウォレット判定ツール「Chainalysis Rapid」現場対応を強力サポート

    ※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 「このアドレスを調べてくれませんか?」 捜査はこうした依頼から始まることがよくあります。暗号資産のウォレットはしばしば不審であり、ときに犯罪に利用されている可能性があるため、迅速な対応が必要となる場面が多くあります。 こうしたウォレットは、詐欺被害の申告、押収機器の解析、脅威インテリジェンスの報告など、さまざまな場面で問題となります。そのウォレットが何なのか詳しく分からなくても、「重要な手がかり」であることだけは誰もが感覚的に理解しています。にもかかわらず、暗号資産の複雑さと限られた時間のため、調査が停滞してしまうこともあります。 暗号資産が関与する犯罪は、もはやサイバー部門だけの課題ではありません。現在は、金融捜査、情報活動、詐欺事件、人身売買、現場対応など、警察業務のあらゆる分野で取り扱われています。しかし、多くの捜査官は、こうした手がかりを自分自身で「初期選別」したり「一次判定」するための時間もツールも、専門知識も十分には持っていません。 こうして疑問や課題が積み重なり、場合によっては暗号資産の専門家に案件が回されます。ただし、専門家に依頼できるとも限らず、また時間も限られているため、対応できないこともあります。 このような現場の課題を解決するために、Chainalysis Rapidは開発されました。 暗号資産の専門知識不要:捜査官のための「一次判定」「初期選別」ツール Speedyは、官公庁や公共機関の調査担当者に向けて設計された、業界初のAI搭載型暗号資産調査支援ツールです。暗号資産や調査の専門知識がなくても、調査対象となるウォレットや取引が「確認・対応すべきものかどうか」をすぐに見分けることができ、わざわざ専門家の対応を待つ必要もありません。 ウォレットのアドレスを入力したり、QRコードを読み取るだけで、Rapidが自動で情報を整理し分析を開始します。数秒以内に、 そのウォレットの概要 関係している組織や人物の有無 今後どのような対応を取るべきか といった重要な情報を、どの現場担当者でもすぐに理解できる分かりやすい日本語でまとめて表示します。これにより、官公庁の現場で大量の調査対象がある場合でも、注目すべきものにすばやく対応し、効率よく調査業務を進めることができます。 Rapidの特長 信頼できるAIによる要約:Rapidは、推測や予測を行うのではなく、Chainalysisが保有する確実な情報だけを分かりやすく表示します。たとえば、ウォレットの残高、利用されているブロックチェーン、取引の相手先などの情報を明確に提示し、次に取るべき対応も具体的に提案します。 調査の全体像を把握:複数のブロックチェーン間にまたがるミキサーやダークネット市場、詐欺、制裁対象組織、その他の違法行為への関連状況も簡単に確認できます。各要約にはリスクの指標や法的対応のために参照できるポイントも含まれています。さらに詳細な調査が必要な場合は、ワンクリックですべての情報を担当アナリストに転送できるので、Chainalysis Reactorでより深い分析が可能です。 どこでも利用可能: Rapidは、どのブラウザでも、どのデバイスでも利用できます。現場、事務室、拠点など幅広い場所で動作し、インストールやダウンロードは不要です。 信頼されるブロックチェーンインテリジェンスが基盤 Rapidは、世界中で1,500以上の官公庁・公共機関に信頼されている、厳格な審査を経たChainalysisインテリジェンス基盤の上に構築されています。Chainalysisの調査データは、各国での重要な調査や裁判・判決の現場で活用されており、その信頼性は実証済みです。 このインテリジェンスは、専門家が開発した高度な分析手法(ヒューリスティクス)、Signalsなどの網羅的かつ独自のデータセット、そして実績ある調査モデルに基づいて構築されています。Rapidは、これらのデータとノウハウを活用することで、公共機関の現場でも確実で迅速な調査対応をサポートします。 チーム全体で暗号資産対応力を強化 詐欺の報告を確認するとき、不審な入金や疑わしい送金を調べる場合、または疑わしい取引やウォレット情報を確認する場面でも、Rapidは本当に専門的な対応が必要なものだけを正確に見分け、必要に応じて専門担当者へスムーズに引き継げるようサポートします。 実際にRapidは、官公庁・公共機関の現場で調査対象の滞留や積み残しの削減、リスクの高い脅威の早期検知を実現しています。また、暗号資産対応が専門部署以外にも広がることで、部署間の協力や情報共有が促進され、組織の調査力強化につながっています。 暗号資産の複雑さに悩まされる必要はありません。もし、公共部門のお客様で「Crypto Investigations Answer」をご利用の場合は、すでにRapidへのアクセス権が付与されている可能性があります。Rapidの詳細について、また、アクセスを希望する場合やデモの予約を希望する場合は、Chainalysis担当者へご連絡いただくか、デモリクエストフォームよりお問い合わせください。 Crypto Clues 101: Triage Essentials for Government Investigators ウェビナー:2025年9月10日(英語) ご登録はこちら This web site comprises hyperlinks to third-party websites that aren’t beneath the management of Chainalysis,…

  • 事例紹介:Chainalysis Reactor 活用による Microsoft のRaccoonO365 民事訴訟支援

    ※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 これまでのフィッシングは、偽メールの作りが粗く、誤字の目立つ偽ドメインも多く、被害が一部にとどまることが少なくありませんでした。 ところが、PhaaS(Phishing-as-a-Service:フィッシング アズ ア サービス)の登場で状況が一変しました。少額の利用料で既製のフィッシングキットを使い、本物そっくりの Microsoft 365 ログインページを用意し、短時間で認証情報の窃取に着手できます。高度な技術がなくても実行できる点が、拡大の要因になっています。 RaccoonO365 は、その典型例です。2024年7月以降、このキットにより少なくとも94か国で5,000件の Microsoft 資格情報が窃取されました。医療機関も標的となり、悪用されれば患者の安全や診療に悪影響が及ぶおそれがあります。運営は Telegram を通じて行われ、メンバーは800人超、受け取った暗号資産は少なくとも10万米ドルと報告されています。 先月、Microsoft はHealth-ISAC、Cloudflare、などのパートナーと連携し、RaccoonO365 に関係する338件のドメインを民事手続に基づき差し押さえるなど、法的・技術的な措置を講じました。これにより、攻撃者側の主要インフラに打撃を与えることができました。報道ではドメイン差押えとインフラの解体が強調されています。一方で、Chainalysis Reactorを用いた取引追跡が証拠の裏付けに資し、民事による差押えの実行を支えた側面もあります。 ブロックチェーン上の支払い記録 フィッシングキットを購入すると、ブロックチェーン上に取引記録が残ります。これらの記録は、運営者の活動拡大を評価する際の指標の一つとなり得ます。 Microsoft の Digital Crimes Unit(DCU)の捜査官は、フィッシングキットを試験的に購入し、実際の動きの確認を目的とした送信テストを段階的に実施しました。 「あるキットでは、代金支払い後に運営者からチップを求められました」と捜査官は振り返ります。違法な取引でありながら、日常の商取引に似たやり取りが行われている実情がうかがえます。 サービス運営者の一度の誤りが決定的な手がかりに やり取りの途中、相手方は最初に Tron(USDT)のウォレットアドレスを示しましたが、誤りに気づき Ethereum のアドレスを送り直しました。この切り替えにより、両アドレスの関連が見え、特定に向けた重要な手がかりとなりました。 このトランザクションが、RaccoonO365と既知のインフラや特定の利用者との関連を示す突破口となりました。 資金の流れを可視化 本件は、Microsoft の DCU にとって節目となる事案でした。Reactor により、クロスチェーンの資金移動(トランザクション)を法廷提出を想定した時系列で整理し、複雑なスキームも関係者が追いやすい形で可視化できました。 「本件では、暗号資産のトレーシングが不正行為を特定の個人へ結びつける上で極めて重要な役割を果たしました。Chainalysis Reactor のようなツールを活用し、パターンを解明するとともに、攻撃者が犯罪収益を送った取引所を特定しました。」— Maurice Mason, Principal Cybercrime Investigator, Microsoft DCU サービス化するサイバー犯罪(PhaaS) RaccoonO365 は、PhaaS 型のサイバー犯罪の一例です。既製のフィッシングキットが広く流通し、国境を越えて拡大しやすく、専門知識がなくても扱えるよう提供されています。 今回の官民連携では、産業界・政府・技術パートナーが連携し、数千人に被害が及んだ脅威に対して、停止や拡大抑止を狙った対応が進められました。 Microsoft…